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2024年04月26日
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子宮筋腫と鍼灸治療

2006年10月29日
ど~も、泰心堂です。
私、男性ですが相当数の婦人科疾患を診ています。
ま、相手が男性/女性かはあまり気にしませんから。
・・・というよりも治療中はただ、身体の状態がどうであるか、どこに『冷え』(滞り)があるかしか診ていませんから。
下手に気を使うと身体の反応を取り逃がしてしまいますので、しっかりと診ますし、結構ざっくばらんに聞いてしまいます。
それがいいのでしょうか?
「子宮内膜症で」とか「生理不順」「月経痛がひどくて」とか、「子宮筋腫を何とかしてください」とお見えになる方が結構いらっしゃいます。

さて、そんな中で問い合わせの多い子宮筋腫の話でも書こうかと思います。
ええと詳しい病理とかはいいですね?
西洋医学的に言うと子宮の筋肉=平滑筋にできた良性(転移しない)の筋腫(筋にできた塊)です。何故できるかと言うのは実際のところ西洋医学だと説明がつきません。おそらくこれが何らかの血行障害や刺激に対する過剰反応を起こして、月経時痛や不正出血を促すのではないかと言われています。

これに対して「はり・きゅうが効きますか?」と良く聞かれます。
答えとしては「効きます」で良いと思います。

ただし、西洋医学の手術と違って子宮筋腫そのものを切り取ったり、消し去ったりするものではありません。

東洋医学というのは『身体の状態が調和がとれていれば病にならず、またなっても治る」という発想に基づいています。
だから「鍼・灸で身体の状態を整える事で、自然と身体が持っている内部的な作用による子宮筋腫の退縮や消滅を助ける」と言えるでしょう。

これは私の流派(積聚治療)の人体観になりますが、人間健康な状態だと身体が温かいものです。そしてこのバランスに変化が生じ、どこかに滞りが生じたためにエネルギーの循環が悪くなり身体が冷える(=機能が低下する)と病が発症するのです。
だので、身体を鍼灸を使って温めていくと言うのが治療の方針になります。
これは刺激療法とは違う考え方で「痛けりゃ効く」というわけではありません。「痛い鍼、熱い灸」ではなく、むしろ「丁寧な鍼、必要に応じた灸」で微妙な調整を加えていくので痛みなどはそれほど出ません。

ただし、どこかにぶつけた(外傷)とかと話は異なり、長い間積み重ねてきた身体の疲労、精神的なストレスに負けてしまうだけの身体の弱体化=機能低下が根底にあるので、治療は痛みを抑えるのではなく、このような外部の刺激に負けない身体を作る事が大事になってきます。

子宮筋腫や内臓疾患など具体的な違和感、症状を伴うものはそれだけ身体のバランスが大きく崩れてしまっている(=強い冷えがある)事を示しています。そのため治療はある程度の期間が必要です。
だいたいこういう方たちは最初1週間に1回程度を3ヶ月ほどの通院をされて身体の状態がある程度落ち着いた時点で、治療間隔を広げて2週間に一度くらいにしていきます。
繰り返しますがある程度の期間が必要です。
(病院の通院は年単位でも仕方なく、鍼灸では一回でというのは正直難しい。やはり期間と回数をきちっとかけていただきたいと思います。)

業界全体では子宮筋腫の方たちの例で報告が多いのが、半年後の検査で半減くらいが多いですかね?報告例は筋腫の数がやたらと多かったり、大きかったりするものが多いですからこういう結果なのでしょう。
私のところでは「痛みや違和感が減ってきたから検査に言ってません」という方ばかりで・・・困ってます。

今度、11月に東京大学付属病院の東洋医学の臨床研究をしている部署の関連で「鍼灸と子宮筋腫」の関連の報告をするそうです。その結果を一寸楽しみにしています。
(厳密に言うとこういう研究は術者が誰でも良いことを前提にしているの東洋医学的手法とは言えませんが・・・)

最後に特に特定の症状がないけれど鍼灸院に行ってもいいの?
という質問もいただきます。
構いません。むしろ月に1~2回定期的に受けて身体を良好に保つことは生活をより充実させる一つのきっかけになりますのでお勧めしているくらいです。

それでは今日はこの辺で。
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