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2024年11月24日
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不妊症の治療

2008年09月09日
手元に『東洋医学 鍼灸ジャーナル vol.4 September 2008』(緑書房 \1,500-)がある。
この雑誌、今年創刊の雑誌で今号で4冊目。
お世話になった、小林詔司先生、中谷哲先生ら母校の先生(小林先生は既に退官されています)があわせてもう4回登場している。
症例も二つのお題で紹介している。(小林-うつ病と積聚治療、中谷-不妊症と積聚治療)
そんなに表に出てくる流派だったけ?と思わず思ってしまった。

今回のVol.4が症例クローズアップとして取り上げているのが『不妊症へのアプローチ』。

ってなことで興味深く中谷先生を含めた今回の症例を眺めてみる。
・・・やはり回数かかっているよねってのが正直な感想。

積聚治療の場合、基本は週1~2回。
ある例では81診・・・月4回として20ヶ月、この例では約26ヶ月かかったそうだ。
その他の例でもやはり不妊症の治療に対する鍼治療は回数がかかる。目安としては一年くらいだろうか。

それだけ体に深刻な冷え(積聚治療独特の言い方。機能が低下しているの意)が背後にあるのだろう。

当院ではというと・・・不妊治療専門と言うわけではない。
ただ、他の疾患でお見えになった方が実は・・・と言い出すケースは少なくはない。
私ができることは、妊娠を確約することではなく、あくまでも目の前の体の冷えの程度を診て、その冷えを解消するようにと愚直に施術を繰り返すことだけ。

今のところうまく言っている様で、昨年から今年に掛けてあわせて13名の出産の報告を受けた。ほんと、幸運なことだ。

確かに特効穴の類の話がないわけではないが、果たして効果はというと定かではない。あくまでも結果が出たのであって、論理的ではないし、再現性は?と言われても微妙。何せ、特効穴ってのはピンポイントの話。当たれば儲け物というのが正直な感想だ。
だからこそ、古典的な脈を診て、体の情報を集めて、体の状態を類推した上で、治療の方針を決め、丹念にツボを探し丁寧に鍼を操作するというごくごく基本的なところに立ち返るのである。

さて、不妊治療・・・私は不妊症の治療というべきだと思うのだが、これを行うにはどうしても患者さんの側の協力が必要である。一つは、指定した治療のペースで通っていただくこと。これが最大の問題。
「今までずっと不妊治療をやってきましたが限界を感じました。東洋医学に最後の望みをかけたいんです!」
と意気込まれても残念ながら1~2回で済むなんて話にはならない。そうなればラッキーてなもんだ。

体を整えて、良好な状態を保つには少なくとも傷め続けてきた時間に応じた時間がかかる。TVゲームのように電源入れなおせば完全回復なんてことはなく、傷んだ体を立て直すにはそれなりに手をいれ、時間をかけ労わってあげなければならない。

だので治療者側にも根気が必要だが、皆さんのほうにこそ根気が必要ですね。

あと聞かれるのが、いわゆる病院で行う不妊治療との兼ね合いですね。東洋医学は現在目の前にあるからだを問題にし、身体が持っている力を利用しているのですから妙な副作用はありません。併用しても問題はありません。

だので東洋医学で体の『気』のバランスを取りつつ、不妊治療をすることは体の負担を減らす意味でも非常に良いものですね。

すべてのケースにおいて成功するとは言えませんが、きっと皆さんの後押しをしてくれると思います。

興味のある方はご相談下さい。
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