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2024年11月22日
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先生ここ打ってよ

2006年08月09日
ど~も~泰心堂です。
大阪出張の際にある先生にこのブログのことを言われてドキッとしてきました。
これは猫かぶらないけないか?と一瞬思ってしまいました、柄じゃないので普段通りに行きましょう。

さて、鍼灸と言えば・・・「痛いところに打つ」みたいな思い込み持っていませんか?

私のところに尋ねてくる方もそのように思っている方が大半で特に年配の方は取りつくしまもなく、「ここが痛い、ここが打ってくれ」と仰います。

先日、このような方であまりにも対話にならないので思わず。
「ここだけ打つんだったらわざわざはりきゅう院のはり師はいらん。他、行ってくれ」
普段こんな言い方絶対にしません。するべきではないと思っているからです。ですが、この方、「痛み」に囚われすぎていて話をしないんです。どうしてそうなのか、どのような痛みなのか、どこから来る痛みなのか・・・そういったことをお話や身体を診て判断してから治療するのがスタイルなのですが、それすらさせてもらえず、「金払うんだから打て」的な方でした(ほとんどパニック状態でした)ので仕方なくこのような言葉を告げることになりました。

本気で言わないと響きませんので、近くの接骨院で鍼を打っているのでそこを紹介しようかとまで言いました。

それで少し落ち着いたようで、状況をお話いただけることになりました。
長らく腰を患っているとのことで、接骨院にも毎日のように通っているそうで、それでも良くならない、痛みが取れないということでどうしようもなくて来たそうです。うちの近くの接骨院にも何件か鍼を打つと書いてあるところがあるそうですが、それも試してみてあまり変わらなかったとのこと。で、来院した日はどうしようもなく痛くて歩くのも辛かったので比較的近い私のところへ来たと言うことでした。

で、私のやり方を話して、それでやってもいいと約束いただいて治療となったのですが・・・

何をどのように治療してきたのでしょう?お腹は軟弱で、腰周りどころか肩まで鉄板のような硬さ。後頚部も触診していて気の毒になるくらいはっているわけです。これでは痛いところだけ刺しても直ぐ戻ってしまいます。まして鎮痛目的だけの強い電気を流していたら余計に筋肉が硬くなってしまいそうな気配をかもし出していました。
こういう方を何度も見てきましたけど、こういう人に限って強い電気刺激を好む傾向があります。痛みを痛みで忘れさせると言えばいいでしょうか?もとが我慢強い人なんでしょう。これを「耐えればしばらく痛みがない」みたいな錯角で余計悪くしている。なんともまあ・・・

手順に従って仰向けで治療したあと、背中の方へ。まず痛むところを確認。
「痛むのここだね。この痛みと硬さ良く覚えておいてね。」
と腰付近の一点を示して確認作業。
それから徐に私のところの特徴である長鍼を取り出し、皮一枚下を横方向に滑らせ筋肉の緊張を丁寧にはがして行きます。先ずは肩甲骨の間。
一本刺して操作して、痛みを確認、さらに操作して確認を繰り返して適度なところで抜鍼。で、痛みの程度の確認をします。
「どう?変化を感じる」
「少し痛みが変わった」
「こっちやったらもっと取れるからね」
といって反対側ってのを数度繰り返し。その他細かい調整を加えて・・・
「じゃ、立ち上がって確認してみて」
恐る恐る立ち上がる
「あれ?動けます。え?ここ打ってないのに何で?」
痛んでいたところを抑えながら、腰を動かしてみて驚きの声を上げました。ついでにもう少し驚かせようと「頚肩の具合も確認してごらん」と言いました。ええ、すっかり様子が変わっているのでまるで別もののように感じることでしょう。
「ああ、なんか取り替えたみたい」
そうして意気揚々とお帰りになりました。

これはやらせじゃなくて本当に実話です。
本当に痛いといったそこは鍼を刺していません。そこに痛みが集中したのは背中の緊張と下肢の弾力のなさが原因と診てそちらの処置を優先したのです。
別にそこを打たなくても鍼灸って変わるんです。

鍼灸治療は様々なやり方があります。私のところはできるだけ患部の刺鍼は避けて調整するやり方です。基本的に鍼を1~2mm程度刺す浅い刺激を使うのですが、コリが強い場合は今回のように長鍼といって少し長めの鍼を使うこともあります。患部を避ける理由は患部が痛み出す原因があってそこに痛みが出ているのですから、そちらを対処せずに痛む箇所を指すだけだと「痛みを忘れている」のか「効果があったのか」が分かりづらいからです。必要に応じて刺激することもありますがほとんどこのやり方をしませんね。

もちろん患部に直接手当てをして効果を出している先生方もいらっしゃいますのでそういう先生が良い方はそういう先生を探してみてください。

とりあえず、痛むところに打たなくても、はり・きゅうは効くってことだけ覚えておいてくださいね。
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