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2024年11月21日
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部分から全体へ
2010年11月18日
東洋医学は部分で全体を診る観念的システムを持っています。
気(気血津あるいは気血水なども含む)を中心とした陰陽の考え方、三才論、五蔵之気の機能、五行関係、経絡関係・・・これらを便利に使って、部分で全体を診るという考え方を肯定しています。
たとえば、脈診。
手首を掴んで、その感触でからだの状態を窺い知る。
西洋医学的な部分は部分と言う考え方だとこれは到底肯定できる概念ではないでしょう。わかるのは脈拍、血圧くらいなもの。そう考えるのが自然です。
しかしながら、東洋医学では血脈は身体に至るところに通じ循環しているわけで、つまり『からだ全体の情報』を持っているわけです。
当然それは五蔵、経絡とも通じ五蔵之気や経絡の変動などの情報も持っている。
そう考えることで、手首に現れる血脈で五蔵之気や経絡の変動を窺い知ろうとする。
それが東洋医学における脈診ですが・・・
ま、実は総合判断です。脈だけ診たってわかるわけない。あちこちに現れるサインを脈状、脈圧を中心に考えてあたりをつけると言うのがやっていることです。
つまり、バックグラウンドにリレーショナルデータベース(RDB)があってマッチングをかけていって最も近い状態を現在の体の状態と看做すと言うことをしているわけです。
だからこそ私は治療は統計学あるいは確率論だと言っているわけです。
ま、ともあれ部分部分を見てパターニングとの類似点を探して全体を類推する、これが部分で全体を診るということ。
で、治療はと言うと部分に刺激をして全体へと全体へと影響与えること。
それをある人は『皮膚』として捉え、ある人は『気の在り方』と捉え、またある人は『経絡の変動』と捉え、それらをそれが確認できる部分あるいは近位、またあるいは遠隔部への刺激を持って変化せしめる。
その変化の結果、人の身体があるべき状態に変わろうと自律的変化を起こす。
これが治療効果。
つまりはりきゅうは、鎮痛とこの自律的変化を促す作用を持っているわけですね。
私が中心においている、積聚治療は人は陰陽の気の統合体(一つの太極)であると考えてその気のありように注目した治療です。
その疾病観は、
気の偏り=本来の機能を果たせなくする=機能低下=体が気の不全を起こし、本来温かで適度にやわらかいからだが、冷え、固くなる=冷えは気の偏りの現れであり、病気のそのものである。
といったもの。
当院での治療は皆さんとのお話、ツボや皮膚・筋肉の状態などの触診、脈診、腹診・・・いろいろな検査と基準をもとに身体の気の在り様を見て、その偏りを鍼や灸を持って穏やかに是正することを目的としています。
その結果、様々な効果が現れています。
ま、平たく言えば、良いことがあるから採用しているというわけです。
・・・と今日はこのへんで。
気(気血津あるいは気血水なども含む)を中心とした陰陽の考え方、三才論、五蔵之気の機能、五行関係、経絡関係・・・これらを便利に使って、部分で全体を診るという考え方を肯定しています。
たとえば、脈診。
手首を掴んで、その感触でからだの状態を窺い知る。
西洋医学的な部分は部分と言う考え方だとこれは到底肯定できる概念ではないでしょう。わかるのは脈拍、血圧くらいなもの。そう考えるのが自然です。
しかしながら、東洋医学では血脈は身体に至るところに通じ循環しているわけで、つまり『からだ全体の情報』を持っているわけです。
当然それは五蔵、経絡とも通じ五蔵之気や経絡の変動などの情報も持っている。
そう考えることで、手首に現れる血脈で五蔵之気や経絡の変動を窺い知ろうとする。
それが東洋医学における脈診ですが・・・
ま、実は総合判断です。脈だけ診たってわかるわけない。あちこちに現れるサインを脈状、脈圧を中心に考えてあたりをつけると言うのがやっていることです。
つまり、バックグラウンドにリレーショナルデータベース(RDB)があってマッチングをかけていって最も近い状態を現在の体の状態と看做すと言うことをしているわけです。
だからこそ私は治療は統計学あるいは確率論だと言っているわけです。
ま、ともあれ部分部分を見てパターニングとの類似点を探して全体を類推する、これが部分で全体を診るということ。
で、治療はと言うと部分に刺激をして全体へと全体へと影響与えること。
それをある人は『皮膚』として捉え、ある人は『気の在り方』と捉え、またある人は『経絡の変動』と捉え、それらをそれが確認できる部分あるいは近位、またあるいは遠隔部への刺激を持って変化せしめる。
その変化の結果、人の身体があるべき状態に変わろうと自律的変化を起こす。
これが治療効果。
つまりはりきゅうは、鎮痛とこの自律的変化を促す作用を持っているわけですね。
私が中心においている、積聚治療は人は陰陽の気の統合体(一つの太極)であると考えてその気のありように注目した治療です。
その疾病観は、
気の偏り=本来の機能を果たせなくする=機能低下=体が気の不全を起こし、本来温かで適度にやわらかいからだが、冷え、固くなる=冷えは気の偏りの現れであり、病気のそのものである。
といったもの。
当院での治療は皆さんとのお話、ツボや皮膚・筋肉の状態などの触診、脈診、腹診・・・いろいろな検査と基準をもとに身体の気の在り様を見て、その偏りを鍼や灸を持って穏やかに是正することを目的としています。
その結果、様々な効果が現れています。
ま、平たく言えば、良いことがあるから採用しているというわけです。
・・・と今日はこのへんで。
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泰心堂と積聚治療の関係
2010年11月09日
こんにちは、からだのエンジニア 鍼灸師 藤井崇次です。
今日のお話はいただいたメールに対する返信です。
内容が専門的なことを含むため鍼灸の関係者かと思われます。
「泰心堂先生は積聚治療家なのですか?」
ええと泰心堂は私の屋号ですので私本人のことを指すのでコレでも問題ないでしょう。
積聚治療家であるか?
これは実は難しい。事実として私は積聚治療をするものであり、会派として積聚治療家ではない。
どういうことかというと私の鍼灸を学んだ養成機関の問題と流派・会派の問題です。
私が学んだ養成機関は関東鍼灸専門学校。
そう、積聚治療創始者の小林詔司先生の所属されていた学校です。私の学生時代、詔司先生は現役で3年次の実技を担当されていましたし、カリキュラムとして3年間で積聚治療を通じて人のからだを診るということを学ぼうというのが在りました。
なので私が在学した3年、研修生身分で在籍した1年、学び実践したのは積聚治療に他なりません。
そういう意味のおいて積聚治療家であるとは言えます。
一方で思うところが在り、卒業後すぐに積聚会に入りませんでした。積聚会に所属していないと言う意味においては私は積聚治療家ではありません。
※在学中に他に、故波岡久夫氏が残した腹診に基づく治療法、故鷲尾雅一先生の経絡治療、N氏より中国鍼術、高麗手指鍼術、現在の日本刺絡学会のメンバーから刺絡鍼法などを学びました。
さて、積聚治療と言うのは何か?
積聚治療は、」人間は気という概念的なエネルギーが集まり、循環している陰陽の統一体である」ことを前提に、気の偏り=機能の低下=冷え → 病気 という概念を持った治療法です。
この気の偏りを『積聚』という相対的な概念で把握し、その積聚の変化を以って気の偏りに対して影響をせしめたとするのが治療。
積聚とはお腹に現れる気の積み重なりであり停滞であるところのしこり、知覚異常など
からだの状態を変化せしめる(陰の気を補う)ことであとはからだが病を治していく(気の偏りを解消していく)というのが積聚治療です。
鍼灸治療はおそらく次の要素で語ることが出来るでしょう。
A:身体観、疾病観など人のからだと病の捉え方
B:判断基準、脈、腹、経絡、経穴、気の偏り・・・・などなにをもって病とするか何を以って軒昂とするかの基準
C:具体的な刺激方法、補寫の鍼、気を動かす鍼、巨刺、遠道刺・・・・
治療法 = A+B+C
それが何治療であるかを決定付けるのはAにあたる概念。
ならば
気の偏りである冷えを中心にした、気を動かして冷えを取る治療をしている私は積聚治療の範疇にいるともいえます。
ま、こんなところですね。
今日のお話はいただいたメールに対する返信です。
内容が専門的なことを含むため鍼灸の関係者かと思われます。
「泰心堂先生は積聚治療家なのですか?」
ええと泰心堂は私の屋号ですので私本人のことを指すのでコレでも問題ないでしょう。
積聚治療家であるか?
これは実は難しい。事実として私は積聚治療をするものであり、会派として積聚治療家ではない。
どういうことかというと私の鍼灸を学んだ養成機関の問題と流派・会派の問題です。
私が学んだ養成機関は関東鍼灸専門学校。
そう、積聚治療創始者の小林詔司先生の所属されていた学校です。私の学生時代、詔司先生は現役で3年次の実技を担当されていましたし、カリキュラムとして3年間で積聚治療を通じて人のからだを診るということを学ぼうというのが在りました。
なので私が在学した3年、研修生身分で在籍した1年、学び実践したのは積聚治療に他なりません。
そういう意味のおいて積聚治療家であるとは言えます。
一方で思うところが在り、卒業後すぐに積聚会に入りませんでした。積聚会に所属していないと言う意味においては私は積聚治療家ではありません。
※在学中に他に、故波岡久夫氏が残した腹診に基づく治療法、故鷲尾雅一先生の経絡治療、N氏より中国鍼術、高麗手指鍼術、現在の日本刺絡学会のメンバーから刺絡鍼法などを学びました。
さて、積聚治療と言うのは何か?
積聚治療は、」人間は気という概念的なエネルギーが集まり、循環している陰陽の統一体である」ことを前提に、気の偏り=機能の低下=冷え → 病気 という概念を持った治療法です。
この気の偏りを『積聚』という相対的な概念で把握し、その積聚の変化を以って気の偏りに対して影響をせしめたとするのが治療。
積聚とはお腹に現れる気の積み重なりであり停滞であるところのしこり、知覚異常など
からだの状態を変化せしめる(陰の気を補う)ことであとはからだが病を治していく(気の偏りを解消していく)というのが積聚治療です。
鍼灸治療はおそらく次の要素で語ることが出来るでしょう。
A:身体観、疾病観など人のからだと病の捉え方
B:判断基準、脈、腹、経絡、経穴、気の偏り・・・・などなにをもって病とするか何を以って軒昂とするかの基準
C:具体的な刺激方法、補寫の鍼、気を動かす鍼、巨刺、遠道刺・・・・
治療法 = A+B+C
それが何治療であるかを決定付けるのはAにあたる概念。
ならば
気の偏りである冷えを中心にした、気を動かして冷えを取る治療をしている私は積聚治療の範疇にいるともいえます。
ま、こんなところですね。
美容鍼灸の本質
2010年08月10日
美容鍼灸で一番大事なことは、『からだの調子を整える』ことです。
草花でも根や茎がぼろぼろなのに花だけ綺麗ということは非常に少ないと思います。
顔は華、身体は茎、胃腸が根。
そう考えると根や茎の調子を整えることが大事というイメージが出来るのではないでしょうか?
当院の美容鍼灸は次のような手順で行います。
(初回)
1.予診表の記入(体調と気になる部分のチェック)
2.問診
3.消毒・施術方法の説明
4.意思確認(施術を受けるかどうかの確認)
5.治療ブースへ移動
6.仰向けにて、脈診、ツボ反応の確認、気になる箇所の確認
7.からだの調子を整える鍼=体調の調整と逆上(のぼ)せ予防
8.顔など気になる部位への刺鍼
9.しばらく置鍼(5~10分)
10.抜鍼
11.必要に応じ鍼または棒灸を利用した補助治療
12.現状確認とクローズ
美容鍼灸はやればやるほど体調と肌質・部位の変化を感じられるので「私、鍼灸初めて」なんて方にもお勧めできるメニューです。
草花でも根や茎がぼろぼろなのに花だけ綺麗ということは非常に少ないと思います。
顔は華、身体は茎、胃腸が根。
そう考えると根や茎の調子を整えることが大事というイメージが出来るのではないでしょうか?
当院の美容鍼灸は次のような手順で行います。
(初回)
1.予診表の記入(体調と気になる部分のチェック)
2.問診
3.消毒・施術方法の説明
4.意思確認(施術を受けるかどうかの確認)
5.治療ブースへ移動
6.仰向けにて、脈診、ツボ反応の確認、気になる箇所の確認
7.からだの調子を整える鍼=体調の調整と逆上(のぼ)せ予防
8.顔など気になる部位への刺鍼
9.しばらく置鍼(5~10分)
10.抜鍼
11.必要に応じ鍼または棒灸を利用した補助治療
12.現状確認とクローズ
美容鍼灸はやればやるほど体調と肌質・部位の変化を感じられるので「私、鍼灸初めて」なんて方にもお勧めできるメニューです。
ぶろぐ てのひらで健康生活!更新しました。
2010年06月01日
今晩は、身体のエンジニア 藤井崇次です。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
まだ、ご無沙汰してしまいしたね。
最近は火曜日と意外に日曜日に空きがありますので新規の方は両日を狙ってみてください。
また、そのほかの曜日も時間帯によって空きがありますのでご相談ください。
さて、こっそりとはじめておきましたセルフケア用のブログ
てのひらで健康生活!(泰心堂的手指鍼術考察)
の方を更新いたしました。
ご覧ください。
月経痛、不妊症、冷えの処方一例
http://haribiyou.blog.shinobi.jp/Entry/6/
最近は、Twitter や FaceBookにも出没しておりますので質問のある方はそちらからでもOKです。
Twitter https://twitter.com/ taishindoもしくは藤井崇次で検索してください。
FaceBook http://www.facebook.com/ 藤井崇次で検索ください。
それでは♪
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
まだ、ご無沙汰してしまいしたね。
最近は火曜日と意外に日曜日に空きがありますので新規の方は両日を狙ってみてください。
また、そのほかの曜日も時間帯によって空きがありますのでご相談ください。
さて、こっそりとはじめておきましたセルフケア用のブログ
てのひらで健康生活!(泰心堂的手指鍼術考察)
の方を更新いたしました。
ご覧ください。
月経痛、不妊症、冷えの処方一例
http://haribiyou.blog.shinobi.jp/Entry/6/
最近は、Twitter や FaceBookにも出没しておりますので質問のある方はそちらからでもOKです。
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FaceBook http://www.facebook.com/ 藤井崇次で検索ください。
それでは♪
鍼灸医学の適応症
2008年11月19日
どうも、泰心堂です。
なぜ、針灸は様々な病気に効果があるのか?
これはなかなか難しい質問ですね。
例えば、自律神経系を賦活するという説明。自律神経の安定みたいな話が好きな人にはすることがありますが、これだけって言うわけではない。もちろん自律神経っていうのは体の機能調整や修復に関わっています。
だので、体の中でどんな仕組みが病気からの回復に関わっているかといえば、生理学的には【自律神経】で間違いはないと思います。
が、それだけで説明つかないこともあります。
なので、「自律神経系などにも影響を与え・・・」などという言い方をするわけです。
ま、そもそも現代医学とは人の体を診る見方自体が異なるわけです。なので同じスケール(ものさし)で語るというのはとても難しいことですね。
さて、東洋医学というか日本の針灸医学では体をどのようにみるか?
簡単に言うと【気】という概念でみます。これは巷の気功?なる怪しげなものではなく、「体をそのような概念でみよう」というお約束なのです。
言ってしまえば、その人がまとう雰囲気これもまた気ですし、体温、血液、髪の毛、皮膚、筋肉、脂肪、骨、内臓、それらを動かすエネルギー・・・これらもまた【気】の産物だとみる。そしてその【気】という概念の元、いくつかの機能グループに分けて細分化した気の役割を定義しているのが東洋医学の概念。
ちょっとわかりにくいですよね。
東洋医学とくに鍼灸医学でいう、【五行】=【木火土金水】あるいは【肝心脾肺腎】はその機能グループに割り当てられたラベルのことです。
例えば【肝木】。【曲直】といって成長や動き、動き出しの力、身を守る力などの意味を持ちます。関係する機能には【筋の運動】や【エネルギー産生】や【代謝】、【解毒】などがあります。またそれらは肉体としての機能だけではなく、精神としての機能とも関連があります。行動に迷いは禁物ですから、決断しまい進する意志力なども関係ありますし、力の発散先がふさがれれば熱気がこもり怒気となります。だのでイライラするのも【肝木】の理と関係があるわけですね。
これらの肉体的な機能と関係ある現代医学的な臓器は?と言えば【肝臓】が代表的ですよね?だからよく「肝が悪い」という言葉で「肝臓が悪い」ということを連想しがちなんです。
だけれど【肝木】という機能グループに属する気(精神であり肉体であり、組織であり器官)の在り方に問題がありそうだということを指すだけで現代医学的にどのパーツが悪いか?などは考えません。
このように人間を構成する【気】という概念のどこに問題がありそうかを機能グループごとに考えるているのが鍼灸医学の面白いところです。
この機能グループの考え方に影響を与えているのが【陰陽論】、【五行論】といった【論理学】あるいは【分類学】の考え方です。
そしてこれらの機能グループの異常=病気は【経絡】という身体を連絡する気の道筋などを正すことで解消できるというのが鍼灸医学の基本です。
また東洋医学ではそもそも外因、内因、不内外因という三つの病因=病気を引き起こす原因が身体に影響を与え気を乱すから病気になる問いしているのですから、肉体に起こった病気はもちろん、精神的な病気もやはり身体に何かしらの影響を与えているわけです。この影響を【経絡】などを使って解消していくことで病気は治癒します。
さて、わざわざ適応症と書いたのには意味があります。
確かに様々な要因から身体に生じた【心身の病】は様々な様相を呈しますが、東洋医学の範疇で考えればそれらはすべて【気の病】(気の異常)に過ぎないのです。(浅い気、深い気とか気血と分ける流派もありますが、ここではそれら概念をまとめて気としておきます。)
【気の病】であれば、どこかに気の状態異常があるわけです。これらを機能グループごとに分けて考え、それらを調整する【経絡】などを用いて状態異常を改善していけば、徐々に身体は病気の状態から回復していきます。
このような考え方に基づくと心身に起こったたいていの症状は鍼灸で解決できます。
しかしながら、この回復の程度には大きく個人差があります。
場合によっては鍼灸だけでは間に合わないこともあります。そういうときはやはり現代医学のお世話になるというのが賢い選択ですね。
ポイントとして、緊急に手術など外科処置の必要なものは病院へ!ということだけ覚えておいてください。
先日、急な腹痛を訴えて駆け込んできた人がいましたが、話を聞いてみると【食中毒】の疑いが強かったので当座、食中毒の対応をした後、念のために病院の診察を受けさせました。結果はどうやら食中毒であたりのようで峠は越えたので問題はないと薬もなしだったそうです。面倒とは思うかもしれませんが、腸ねん転などを起こしているとかなり危険なので、病院での診察が必要な場合もあります。そういう時は患者さんのために病院へ送るべきですね。
それ以外のもの、たとえば慢性疾患の症状緩和や改善・治癒を目的とした施術は状況がはっきりしているのでその場での命の危険は少ないのである意味、安心して施術ができますね。
先日、こんな話をしたらびっくりしていた人がいました。
「よく言われている顎関節症って、針灸でよくなる人結構いますよ」って言ったら?
「嘘でしょう!?」って驚いていましたね。
其の方から何名かの紹介があって、調整をしたら皆さん改善してびっくりされていました。
其の中の一人は劇的な効果があったようで来院されたとき、「物がかめない」と仰っていたのが晩に「ステーキ食べたの」と次回にお見えのときに仰っていました。
このように劇的な効果を示すこともある鍼灸ですが、基本的には病の深さ、長さに応じた時間と回数が掛かりますので一発で治しますみたいな話にはご注意ください。
・・・とま、今日はこの辺で。
なぜ、針灸は様々な病気に効果があるのか?
これはなかなか難しい質問ですね。
例えば、自律神経系を賦活するという説明。自律神経の安定みたいな話が好きな人にはすることがありますが、これだけって言うわけではない。もちろん自律神経っていうのは体の機能調整や修復に関わっています。
だので、体の中でどんな仕組みが病気からの回復に関わっているかといえば、生理学的には【自律神経】で間違いはないと思います。
が、それだけで説明つかないこともあります。
なので、「自律神経系などにも影響を与え・・・」などという言い方をするわけです。
ま、そもそも現代医学とは人の体を診る見方自体が異なるわけです。なので同じスケール(ものさし)で語るというのはとても難しいことですね。
さて、東洋医学というか日本の針灸医学では体をどのようにみるか?
簡単に言うと【気】という概念でみます。これは巷の気功?なる怪しげなものではなく、「体をそのような概念でみよう」というお約束なのです。
言ってしまえば、その人がまとう雰囲気これもまた気ですし、体温、血液、髪の毛、皮膚、筋肉、脂肪、骨、内臓、それらを動かすエネルギー・・・これらもまた【気】の産物だとみる。そしてその【気】という概念の元、いくつかの機能グループに分けて細分化した気の役割を定義しているのが東洋医学の概念。
ちょっとわかりにくいですよね。
東洋医学とくに鍼灸医学でいう、【五行】=【木火土金水】あるいは【肝心脾肺腎】はその機能グループに割り当てられたラベルのことです。
例えば【肝木】。【曲直】といって成長や動き、動き出しの力、身を守る力などの意味を持ちます。関係する機能には【筋の運動】や【エネルギー産生】や【代謝】、【解毒】などがあります。またそれらは肉体としての機能だけではなく、精神としての機能とも関連があります。行動に迷いは禁物ですから、決断しまい進する意志力なども関係ありますし、力の発散先がふさがれれば熱気がこもり怒気となります。だのでイライラするのも【肝木】の理と関係があるわけですね。
これらの肉体的な機能と関係ある現代医学的な臓器は?と言えば【肝臓】が代表的ですよね?だからよく「肝が悪い」という言葉で「肝臓が悪い」ということを連想しがちなんです。
だけれど【肝木】という機能グループに属する気(精神であり肉体であり、組織であり器官)の在り方に問題がありそうだということを指すだけで現代医学的にどのパーツが悪いか?などは考えません。
このように人間を構成する【気】という概念のどこに問題がありそうかを機能グループごとに考えるているのが鍼灸医学の面白いところです。
この機能グループの考え方に影響を与えているのが【陰陽論】、【五行論】といった【論理学】あるいは【分類学】の考え方です。
そしてこれらの機能グループの異常=病気は【経絡】という身体を連絡する気の道筋などを正すことで解消できるというのが鍼灸医学の基本です。
また東洋医学ではそもそも外因、内因、不内外因という三つの病因=病気を引き起こす原因が身体に影響を与え気を乱すから病気になる問いしているのですから、肉体に起こった病気はもちろん、精神的な病気もやはり身体に何かしらの影響を与えているわけです。この影響を【経絡】などを使って解消していくことで病気は治癒します。
さて、わざわざ適応症と書いたのには意味があります。
確かに様々な要因から身体に生じた【心身の病】は様々な様相を呈しますが、東洋医学の範疇で考えればそれらはすべて【気の病】(気の異常)に過ぎないのです。(浅い気、深い気とか気血と分ける流派もありますが、ここではそれら概念をまとめて気としておきます。)
【気の病】であれば、どこかに気の状態異常があるわけです。これらを機能グループごとに分けて考え、それらを調整する【経絡】などを用いて状態異常を改善していけば、徐々に身体は病気の状態から回復していきます。
このような考え方に基づくと心身に起こったたいていの症状は鍼灸で解決できます。
しかしながら、この回復の程度には大きく個人差があります。
場合によっては鍼灸だけでは間に合わないこともあります。そういうときはやはり現代医学のお世話になるというのが賢い選択ですね。
ポイントとして、緊急に手術など外科処置の必要なものは病院へ!ということだけ覚えておいてください。
先日、急な腹痛を訴えて駆け込んできた人がいましたが、話を聞いてみると【食中毒】の疑いが強かったので当座、食中毒の対応をした後、念のために病院の診察を受けさせました。結果はどうやら食中毒であたりのようで峠は越えたので問題はないと薬もなしだったそうです。面倒とは思うかもしれませんが、腸ねん転などを起こしているとかなり危険なので、病院での診察が必要な場合もあります。そういう時は患者さんのために病院へ送るべきですね。
それ以外のもの、たとえば慢性疾患の症状緩和や改善・治癒を目的とした施術は状況がはっきりしているのでその場での命の危険は少ないのである意味、安心して施術ができますね。
先日、こんな話をしたらびっくりしていた人がいました。
「よく言われている顎関節症って、針灸でよくなる人結構いますよ」って言ったら?
「嘘でしょう!?」って驚いていましたね。
其の方から何名かの紹介があって、調整をしたら皆さん改善してびっくりされていました。
其の中の一人は劇的な効果があったようで来院されたとき、「物がかめない」と仰っていたのが晩に「ステーキ食べたの」と次回にお見えのときに仰っていました。
このように劇的な効果を示すこともある鍼灸ですが、基本的には病の深さ、長さに応じた時間と回数が掛かりますので一発で治しますみたいな話にはご注意ください。
・・・とま、今日はこの辺で。
少しだけKHTの話。
2008年10月29日
どうも、管理人の泰心堂です。
東洋医学と一口に言っても実はかなり範囲が広かったりします。
鍼灸に限定しても流派、やり方がいくつもあります。
私が学んだ流派、やり方だけでも片手じゃ収まりませんしね。
つくづくいろんなやり方があるものだと思います。
さて、私が学んだやり方を一言で表せというと、『経絡治療』ということになるのでしょう。母校で学んだ二方式、『積聚治療』(小林詔司師創始)と『気血治療』(波岡久夫氏創始)はいずれも経絡治療から分岐した一つの可能性です。
※師と氏は意図的に使い分けています。
どちらもですね、お腹を診て、背中で治療すると言う考え方は同じですが、『積聚治療』は全身である『経絡積聚治療』から『積聚治療』へと改称する過程にその理論背景の再構築を行いました。即ち、『経絡の変動が身体に影響を与えている』という『経絡治療』の概念から、一つ考え方の次元をあげて『精気』というものがありその『精気の虚』が身体に影響を与えるとし、具体的なその表れが『冷え』(=機能低下)であると変えました。一方、『気血治療』についてはその原型(波岡氏がたにおか書店よりだした『腹脈一致の鍼灸治療』)と現在受け継がれているもの(母校『関東鍼灸専門学校』-『火曜治療室』、現在は土曜治療室では受け継がれていない模様)とではその証の決め方が変わっていたりします。正直な話、誰が言い出したことなのかがさっぱりわからず、どこで変化したのかも不明、資料すら残っていない状態でしたね。
ただ、この二方式、どちらもメインは『背中』での処置です。
そう、これセルフケアに使うのは不可能なんです。だって、手が届かないもん。
で、どうしたか?
私、ひねくれものですからこの二つの元である『経絡治療』というのも学びました。これは『脈診』をして『手足の要穴に鍼を刺す』という方法を取ります。とある恩師の何気ない一言によって当時既に極めて珍しい『両手使い』となっていたので鍼を刺すことは可能でしたが、これもまた欠点がありました。
それはですね、『脈診』そのもの。
一つは経験が足りない。脈診は脈の形状と身体の状態とを知識+経験で構築されたDB(DataBase)を参照して治療方針を導き出すものです。なので当時使えるほどのデータがありませんでした。
もう一つの欠点は、自分の脉を診るということの難しさ。他人の脉を診るのは指端の皮膚の触覚でOKです。が、自分の脉というのは自分の指端で診ているのか、それとも圧迫されている皮膚で診ているのかわからないんです。また片手ずつの脈診になってしまう。
で、どうやったら自分の健康管理に鍼灸を使えるだろうか?と思い、探し回った先にあったのが『KHT』こと『高麗手指鍼』と『刺絡』(特に井穴刺絡)だったんです。
私自身は鍼灸師ですし、鍼の扱いに慣れています。なので『井穴刺絡』にも抵抗ありません。ですので初期は井穴刺絡による体調管理を行っていました。身体の状態、主に私の場合は『腰痛』と『喘息』の状態ですが、この管理に痛みや発作が出そうだというタイミングで先んじて刺絡を行っていました。
これはなかなか効果があります。『21世紀の医学』(浅見鉄男医学博士著)で、『最初5日連続、それから隔日、3週目に週二回、4週目に週1回、5週明光10日に1回ほどやればたいていの症状が変わる』とか書いていますが、それだけやったらかなり体調変わりますよね。
しかし、これ私自身の管理には良いんです。だって、慣れてますし・・・。
でも一般の方の体調管理には向かない。
というか一般の方に鍼を使わせるわけにはいきません。
極普通の一般人が自宅で自分に鍼を刺す。・・・なんか猟奇的なイメージわきません?
また、刺絡の場合は医療廃棄物が多くでるので一般家庭では処理に困ります。
そこで使い始めたのがKHTの手法ですね。KHTは手のひらを人体と診立てて刺激をしていきます。『相応』というのですが、右手に右半身、左手に左半身が対応するとし、手のひら側が身体の前、手の甲側が身体の後ろ。頭のてっぺんが中指の先端で手首の直前が尾骨の辺り。そうやって人の身体のように診立てて今現在痛みや不快感のある部位と同じ位置関係になる部位を刺激して身体の機能を整えていく韓国発祥の鍼灸法です。
このKHT、もっとも即効的なのは『刺絡』、次いで『鍼』、『灸』、『押圧刺激』と続きます。
韓国では鍼とか電気刺激を家庭でやらせたりするようですが・・・国内では事故の危険性などを考えるとやめておいたほうが良いと思います。
ちなみに私、これ在学中から数年にわたり実際に使っています。
特に疲労がたまり、喘息発作の前兆である喘鳴がしだしたり、動きすぎて腰痛が再発しそうな兆しを見せたりすると連日にわたり鍼で調整していました。面白いことにこれでも喉の不快感や腰の痛みが治まるんです。
この第一段階の『相応』療法がある程度の効果を見せるので、専門書を取り寄せてさらに自分で試してみました。その結果はというと・・・ほとんど喘息の兆しがでなくなりました。腰痛が出なくなりました。怪我してもえらい治りが早いです。
・・・とま、こんな状態になりました。
だったら、これを刺激方法を変えて家庭でやってもらったら、治療院での専門的で本格的な治療と家庭でのKHT的なケアを組み合わせたらもっと良い効果がでるのではないか?
・・・とま、考えて昨年『セルフケア』用の資料を配ってみたんですね。
反響は・・・実はかなり良かったりします。
でも、情報は更新してこそ意味があるということで第二版をそろそろ作ろうかと思います。
え?治療院でKHTはやらないのですって?
ええと・・・やっても良いのですが、えらい地味ですよ。
今日はこの辺で。
東洋医学と一口に言っても実はかなり範囲が広かったりします。
鍼灸に限定しても流派、やり方がいくつもあります。
私が学んだ流派、やり方だけでも片手じゃ収まりませんしね。
つくづくいろんなやり方があるものだと思います。
さて、私が学んだやり方を一言で表せというと、『経絡治療』ということになるのでしょう。母校で学んだ二方式、『積聚治療』(小林詔司師創始)と『気血治療』(波岡久夫氏創始)はいずれも経絡治療から分岐した一つの可能性です。
※師と氏は意図的に使い分けています。
どちらもですね、お腹を診て、背中で治療すると言う考え方は同じですが、『積聚治療』は全身である『経絡積聚治療』から『積聚治療』へと改称する過程にその理論背景の再構築を行いました。即ち、『経絡の変動が身体に影響を与えている』という『経絡治療』の概念から、一つ考え方の次元をあげて『精気』というものがありその『精気の虚』が身体に影響を与えるとし、具体的なその表れが『冷え』(=機能低下)であると変えました。一方、『気血治療』についてはその原型(波岡氏がたにおか書店よりだした『腹脈一致の鍼灸治療』)と現在受け継がれているもの(母校『関東鍼灸専門学校』-『火曜治療室』、現在は土曜治療室では受け継がれていない模様)とではその証の決め方が変わっていたりします。正直な話、誰が言い出したことなのかがさっぱりわからず、どこで変化したのかも不明、資料すら残っていない状態でしたね。
ただ、この二方式、どちらもメインは『背中』での処置です。
そう、これセルフケアに使うのは不可能なんです。だって、手が届かないもん。
で、どうしたか?
私、ひねくれものですからこの二つの元である『経絡治療』というのも学びました。これは『脈診』をして『手足の要穴に鍼を刺す』という方法を取ります。とある恩師の何気ない一言によって当時既に極めて珍しい『両手使い』となっていたので鍼を刺すことは可能でしたが、これもまた欠点がありました。
それはですね、『脈診』そのもの。
一つは経験が足りない。脈診は脈の形状と身体の状態とを知識+経験で構築されたDB(DataBase)を参照して治療方針を導き出すものです。なので当時使えるほどのデータがありませんでした。
もう一つの欠点は、自分の脉を診るということの難しさ。他人の脉を診るのは指端の皮膚の触覚でOKです。が、自分の脉というのは自分の指端で診ているのか、それとも圧迫されている皮膚で診ているのかわからないんです。また片手ずつの脈診になってしまう。
で、どうやったら自分の健康管理に鍼灸を使えるだろうか?と思い、探し回った先にあったのが『KHT』こと『高麗手指鍼』と『刺絡』(特に井穴刺絡)だったんです。
私自身は鍼灸師ですし、鍼の扱いに慣れています。なので『井穴刺絡』にも抵抗ありません。ですので初期は井穴刺絡による体調管理を行っていました。身体の状態、主に私の場合は『腰痛』と『喘息』の状態ですが、この管理に痛みや発作が出そうだというタイミングで先んじて刺絡を行っていました。
これはなかなか効果があります。『21世紀の医学』(浅見鉄男医学博士著)で、『最初5日連続、それから隔日、3週目に週二回、4週目に週1回、5週明光10日に1回ほどやればたいていの症状が変わる』とか書いていますが、それだけやったらかなり体調変わりますよね。
しかし、これ私自身の管理には良いんです。だって、慣れてますし・・・。
でも一般の方の体調管理には向かない。
というか一般の方に鍼を使わせるわけにはいきません。
極普通の一般人が自宅で自分に鍼を刺す。・・・なんか猟奇的なイメージわきません?
また、刺絡の場合は医療廃棄物が多くでるので一般家庭では処理に困ります。
そこで使い始めたのがKHTの手法ですね。KHTは手のひらを人体と診立てて刺激をしていきます。『相応』というのですが、右手に右半身、左手に左半身が対応するとし、手のひら側が身体の前、手の甲側が身体の後ろ。頭のてっぺんが中指の先端で手首の直前が尾骨の辺り。そうやって人の身体のように診立てて今現在痛みや不快感のある部位と同じ位置関係になる部位を刺激して身体の機能を整えていく韓国発祥の鍼灸法です。
このKHT、もっとも即効的なのは『刺絡』、次いで『鍼』、『灸』、『押圧刺激』と続きます。
韓国では鍼とか電気刺激を家庭でやらせたりするようですが・・・国内では事故の危険性などを考えるとやめておいたほうが良いと思います。
ちなみに私、これ在学中から数年にわたり実際に使っています。
特に疲労がたまり、喘息発作の前兆である喘鳴がしだしたり、動きすぎて腰痛が再発しそうな兆しを見せたりすると連日にわたり鍼で調整していました。面白いことにこれでも喉の不快感や腰の痛みが治まるんです。
この第一段階の『相応』療法がある程度の効果を見せるので、専門書を取り寄せてさらに自分で試してみました。その結果はというと・・・ほとんど喘息の兆しがでなくなりました。腰痛が出なくなりました。怪我してもえらい治りが早いです。
・・・とま、こんな状態になりました。
だったら、これを刺激方法を変えて家庭でやってもらったら、治療院での専門的で本格的な治療と家庭でのKHT的なケアを組み合わせたらもっと良い効果がでるのではないか?
・・・とま、考えて昨年『セルフケア』用の資料を配ってみたんですね。
反響は・・・実はかなり良かったりします。
でも、情報は更新してこそ意味があるということで第二版をそろそろ作ろうかと思います。
え?治療院でKHTはやらないのですって?
ええと・・・やっても良いのですが、えらい地味ですよ。
今日はこの辺で。
【気】のお話。
2008年02月05日
「東洋医学は病人を治療するのであって、病名を治療するわけではない。」
ってセリフを近しい人が言っていたような記憶がある。
・・・どうも、泰心堂です。
東洋医学の治療ってのはある部分、いわゆる科学的な手法で説明することができます。
が、すべてを説明しろというのはもう少し先の話のような気がします。
よく東洋医学では陰陽五行論や蔵府経絡論、脈診論といったものが採用されます。
でもこれらって絶対的な基準ではなくどちらかというと説明理論というか・・・ヒント集?
鍼灸師の人が手首掴んで一人でしたり顔で頷いてぼそっと「肝虚」とかいうやつ・・・あれなんかもこの辺の影響ですよね。
鍼灸学校出身の私たちの世代だと・・・
「肝虚」ならば「虚者補其母、実者瀉其子」(難経69難)を適用して、「足の少陰腎経の合水穴(陰谷)と足のけつ陰肝経の合水穴(曲泉)」を使う。
なんてよく使うツボまで条件反射的に導き出されるのが当たり前です。
しかしながら・・・それで効果があるのかどうかは疑問です。
一人として同じ体がない、同じ状況がないといっているのに同じは配穴ってのもかなり疑問です。もちろん毎回同じツボを取るのはぶっちゃけ不可能です。最終的には指先の感覚でツボを取りますのでズレってのは生じますので一人ひとりの状態に合わせた治療であることは間違いないでしょうね。
ただ、文献、書籍のレベルでも【肝虚】という同じキーワードにもかかわらず、【原穴】というつぼを使ったり、【兪穴】を使ったり、その他、木火土金水の名前を関した【五行穴】を使う方法もあったりと実に多様です。
またどのツボを使っても決して間違いではないのです。
例えば私の基礎となっている【積聚治療】という術式では、治療は専ら背中にある【兪穴】を使いそのほかのツボは余り使いません。
膝が痛い場合でも背中だけで治療するのが基本です。
でも、これで効果があるわけです。
また、お隣の中国では【穴性】といってツボごとに特徴があってそれに応じた配穴をすべきだ!という考え方の流派もあります。
また一方でツボの属性なんて関係ない、反応点を刺激していけば良いんだという考え方もあります。
どれでも良いといえばどれでも良い。
その中で一体何を尺度にすればよいのだろう?
正直な話、真面目にやっていれば悩む問題ですね。
これを東洋医学の範疇で一言で表現すると【気の調和】が取れているか?ということに集約されてしまうわけです。
体内に【気】と呼ばれるものがある、あるいは人の身体は【気】というものが集約されでき、循環することで動いている=生きているという考え方があり、その循環が乱れると、気の乱れつまり病となる。
この乱れた気を調えることで病は治るとするのが東洋医学なわけで・・・
これらの循環ルートの説明が、陰陽論であったり、経絡論であったり、蔵府論であったり、脈診論・・・なわけ。
私が学んだ【積聚治療】というのは人間は気というものでできているのであるから、気を調えようと患者と術者が意識し、情報を共有することで身体に具体的な変化が現れる・・・という些か概念的な部分も持っています。
ま、具体的には治療の前に取る【指標】という目印の感覚(痛み、不快感など)が施術をすることでどのように変化するかをお互いに確認することで効果を具体的に把握するという方法をとります。
なぜ、これで気が動いたとするか?
それは私たちの治療が【気の偏り】(相対的な冷え)によって、このような病的な変化が出ていると考えるからだ。気の偏りによって痛みや不快感が出ているのならば、この偏りが解消されることによって痛みや不快感を発生させる元が消失すると考えて差しさわりがない。気の偏りが解消されるということはそれは【気が動いた】ということ。
だから、積聚治療は【気を動かし、冷えを取る】治療であると言っているのだ。
・・・ってのがま、東洋医学者としての考え方。
でも、一般人にこれってなじみないしね。
なので毎回、どの程度まで東洋医学的な説明で良いのかな?と探りながら治療に取り組んでいたりします。
説明ってのはなかなか難しいですね。
今日はこの辺で。
ああ、そうそう2/11のイベントですが空きがあります。興味のある方はメールください。詳細は泰心堂WEBの講習案内にあります。
ってセリフを近しい人が言っていたような記憶がある。
・・・どうも、泰心堂です。
東洋医学の治療ってのはある部分、いわゆる科学的な手法で説明することができます。
が、すべてを説明しろというのはもう少し先の話のような気がします。
よく東洋医学では陰陽五行論や蔵府経絡論、脈診論といったものが採用されます。
でもこれらって絶対的な基準ではなくどちらかというと説明理論というか・・・ヒント集?
鍼灸師の人が手首掴んで一人でしたり顔で頷いてぼそっと「肝虚」とかいうやつ・・・あれなんかもこの辺の影響ですよね。
鍼灸学校出身の私たちの世代だと・・・
「肝虚」ならば「虚者補其母、実者瀉其子」(難経69難)を適用して、「足の少陰腎経の合水穴(陰谷)と足のけつ陰肝経の合水穴(曲泉)」を使う。
なんてよく使うツボまで条件反射的に導き出されるのが当たり前です。
しかしながら・・・それで効果があるのかどうかは疑問です。
一人として同じ体がない、同じ状況がないといっているのに同じは配穴ってのもかなり疑問です。もちろん毎回同じツボを取るのはぶっちゃけ不可能です。最終的には指先の感覚でツボを取りますのでズレってのは生じますので一人ひとりの状態に合わせた治療であることは間違いないでしょうね。
ただ、文献、書籍のレベルでも【肝虚】という同じキーワードにもかかわらず、【原穴】というつぼを使ったり、【兪穴】を使ったり、その他、木火土金水の名前を関した【五行穴】を使う方法もあったりと実に多様です。
またどのツボを使っても決して間違いではないのです。
例えば私の基礎となっている【積聚治療】という術式では、治療は専ら背中にある【兪穴】を使いそのほかのツボは余り使いません。
膝が痛い場合でも背中だけで治療するのが基本です。
でも、これで効果があるわけです。
また、お隣の中国では【穴性】といってツボごとに特徴があってそれに応じた配穴をすべきだ!という考え方の流派もあります。
また一方でツボの属性なんて関係ない、反応点を刺激していけば良いんだという考え方もあります。
どれでも良いといえばどれでも良い。
その中で一体何を尺度にすればよいのだろう?
正直な話、真面目にやっていれば悩む問題ですね。
これを東洋医学の範疇で一言で表現すると【気の調和】が取れているか?ということに集約されてしまうわけです。
体内に【気】と呼ばれるものがある、あるいは人の身体は【気】というものが集約されでき、循環することで動いている=生きているという考え方があり、その循環が乱れると、気の乱れつまり病となる。
この乱れた気を調えることで病は治るとするのが東洋医学なわけで・・・
これらの循環ルートの説明が、陰陽論であったり、経絡論であったり、蔵府論であったり、脈診論・・・なわけ。
私が学んだ【積聚治療】というのは人間は気というものでできているのであるから、気を調えようと患者と術者が意識し、情報を共有することで身体に具体的な変化が現れる・・・という些か概念的な部分も持っています。
ま、具体的には治療の前に取る【指標】という目印の感覚(痛み、不快感など)が施術をすることでどのように変化するかをお互いに確認することで効果を具体的に把握するという方法をとります。
なぜ、これで気が動いたとするか?
それは私たちの治療が【気の偏り】(相対的な冷え)によって、このような病的な変化が出ていると考えるからだ。気の偏りによって痛みや不快感が出ているのならば、この偏りが解消されることによって痛みや不快感を発生させる元が消失すると考えて差しさわりがない。気の偏りが解消されるということはそれは【気が動いた】ということ。
だから、積聚治療は【気を動かし、冷えを取る】治療であると言っているのだ。
・・・ってのがま、東洋医学者としての考え方。
でも、一般人にこれってなじみないしね。
なので毎回、どの程度まで東洋医学的な説明で良いのかな?と探りながら治療に取り組んでいたりします。
説明ってのはなかなか難しいですね。
今日はこの辺で。
ああ、そうそう2/11のイベントですが空きがあります。興味のある方はメールください。詳細は泰心堂WEBの講習案内にあります。