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2024年03月29日
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メニエール病の治療例

2008年02月21日
久しぶりの治療例ネタですね。
どうも、泰心堂です。
相変わらず、メニエール病と子宮筋腫、自律神経失調症などの患者さんが多い治療院ですね。

今日の話題はその中の一つ、【メニエール病】の患者さんのお話。
ええと断っておきますが、当方は【医師】ではなく、【はり師】、【きゅう師】ですので、【病名をつける行為】(診断行為)は一切行なっていません。
だのでここで扱う病名は患者さんの自己申告によるものです。
中には、疑わしいレベルの方、診断名がはっきりしている方など様々なレベルの方がいらっしゃいます。これではちょっと不味いので診断名がはっきりしている方の例を専ら紹介させていただいています。

さて、この方はですね、略治(日常生活に差しさわりがなく治ったとみなしてよい状態)までに非常に時間と回数のかかった方です。

年齢は30代、女性。職場では責任のある立場に立たれていました。
そのため、休職して療養するわけにも行かず、仕事をしながら合間を縫って治療という形をずっと続けていらっしゃいました。

当院に訪れたのは症状が現れて、病院ではっきりとした病名がついてから約1年後のことでした。
病院では飲み薬による治療を行なっていたのですが、ある問題が出てどうにか薬をやめられないか?という形で相談と受療にみえました。

さて、ある問題とはなんでしょうか?
私が伺った限りでは
1.薬を飲んでも症状が軽減した感じがしない
2.薬を飲むと頭に霞がかかったような感じになる
3.食べ物をおいしく感じない
4.半年くらい前から何故か体重が急激に落ち始めた。
5.体力が落ち、ここぞというときの踏ん張りが利かなくなった。
6.疲れが取れにくくなった。
風邪薬なんかにも眠くなるような成分って入っていますから、2.に就いては余り気にされていなかったようですが・・・特に4.が気になって薬をやめたいと思ったそうですね。

ええと薬に就いてはあはき法で「投薬の指示をしてはならない」とありますので、「やめなさい」とか「控えなさい」、あるいは「○○を飲みなさい」というのは違法行為なので、具体的な薬の処方に関しては担当医と相談していただくことにして、目の前の身体の様子を診て当院で採用している術式(やり方)に基づいて身体を捉え、施術をすることにしました、

治療頻度と回数は週2回を6ヶ月、週1回を2ヶ月、2週に一回を2ヶ月。
約10ヶ月で耳鳴り、めまいが気にならない状態が普通になりましたので治療を終了しました。
当院の場合、基本は週1~2回。この患者さんの場合は週一回に切り替える際に患者さん側の要望により少し期間を長くしました。

さて、治療後はどうだったか?
記録にある限りだと、1診~3診は当日すっきりした感じがあり翌日の昼ごろから調子が崩れていました。これが徐々に回数を重ねるごとに長い時間、症状が治まっている状態が続いていくのですが、四日目になると崩れるという状態がしばらく続きました。記録を見返してみるとこの時期はちょうど梅雨の時期。気圧の変化が影響をしたのでしょうか?

梅雨明けとともに徐々に状態が安定し始めて、週一回でも良いかな?とお互いに思える時期が来ましたので週一回に切り替え、様子を診ては週二回に戻したりと繰り返しながら徐々に週一回、2週に一回といったペースに切り替えていきました。
なぜ、このようにすぱっと終了ではなく、間隔をあけて言って終了に以って言ったかというと、これはですね。自分の身体に自信を持っていただくためです。

当院で提供しているのは症状のみを抑えるのではなく、根本へのアプローチすることで一緒になって【病に負けない身体を作る】ことです。ですから、治療の終了とはこの病に負けないからだができたということを意味するのですが、病気だった自分のイメージってけっこう強いものでいきなりすぱっとやめてしまうと慢性的な症状を抱えていた方は不安になってしまいます。
なので徐々に感覚をあけて、自分の身体を確かめてもらう。崩れたなと思う頃にバランス調整をする。そういったことを繰りかえしつつ、自信を持って治療に日々から卒業していただくためです。

また一方で月1~2回、定期的に施術を受けるというのは非常に身体にとって良いことです。
最近の研究でははりきゅうの治療が【免疫系を活性化させ、身体の状態を安定させる】ということも科学的に立証されるようになり、自律神経免疫療法やら、痛圧刺激療法など医師の中にもはりきゅうの技術を積極的に治療に取り入れる方も出てきたくらいです。
疲労回復にも効果があり、
「疲れが抜けにくくなってきたからこれは施術を受けろっていうからだのサインだ」
と言ってお見えになる方もいらっしゃいます。

さて、話を戻して治療の面から身体の様子を診ていくと・・・
この方は私が使っている術式の基準で、圧倒的に【腎積】が多かった。たまに【脾積】、【肝積】などがあるもそのほとんどが【腎積】。
初期は施術を受けるとこの腎積はまるで霧散したかのように消えるが次回には程度が微妙に変わっているもののまた出てくるということを繰り返した。
他の圧痛点はというと、一貫して膝の内側やや裏側に圧痛があり、肩甲骨上にも圧痛が顕著にみられた。腰、仙骨は触れば明確に【冷たい】と感じるほどであり、【冷え】の強さが伺える。後頭部から頚にかけて、【天柱】、【風池】と呼ばれるツボのあたりにも強い緊張が診られた。
これだけ強張って冷えている場合、だいたい頚部に一つ目安となる圧痛があるのだが、それはしばらく発見できなかった。
複数ある治療手順のうち、このケースは問診や触診の情報を考慮して第三方式を選択。たまに第一方式(順治)も混ぜたがそのほとんどが第三方式で施術した。

状態が目に見えて好転し始めたのはしばし回を重ねてから。身体の情報から診て必ず私たちが【うっ血】と呼んでいる反応があるはずだと検討をつけていた。それが頚部に現れた。うっ血を確認して処置することを数回。処置するごとに症状の改善が診られ、患者さんの表情も明るくなり、気分も晴れやかに。仕事も忙しくなったというのに明確に改善傾向が見られるようになった。
以降は、うっ血の処置が必要な場合は積極的に処置をしたが、そのほかは通常の施術を丁寧に行なっただけである。

なお、この患者さんはうっ血の処置を境に薬の量を自分で減らされたそうだ。

・・・と今日はこの辺で。
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