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2024年03月29日
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治療家泣かせの治癒反応

2007年08月01日
どうも~泰心堂です。
ちょっと一休みの時間帯です。

ええとなんだか八月はあちこち出かける予定ができそうです。
直近では今週末。来週も微妙な気配が・・・とりあえずわかったらすぐにHPの方へ掲載するようにしますね。
そう言えば、盆休み取れるのか?
本当に自分の休日ってないですね~。

先に諸々の連絡事項の話ですね。
NPO絡みですがそろそろ『幕張海浜公園祭り’07』に就いてのアナウンスができそうです。幕張海浜公園を舞台にした文化とスポーツイベント。ちょっと変わったところでは犬のしつけ教室なんかもあります。来月あたりには少しずつそちらの情報も掲載できると思います。
ちなみに私はと言うと・・・インラインスケートの講習会の方で関わっています。

と最近の動きをちょこっと書いてみました。

今回のネタはですね、『治療家泣かせの治癒反応』というタイトル。

鍼灸の作用機序(効果が出る種明かし)には幾つかのキーワードが絡んできます。例えば『ダメージ』、『血流』、『炎症』と『修復』など。他には『自律神経』、『自然治癒力』なんてキーワードが使われることが多いでしょうか?

私自身は『気』、『血』、『陰陽』、『経絡』などの視点から治療する東洋医学の立場の治療かなんですが、東洋医学的な話は今回はとりあえず置いておいて西洋医学的な視点からどんな風に作用を説明できるか?ってな話とどんな反応が出るかって話ですね。

あっさり言うと鍼や灸は身体に十分に回復可能な範囲のダメージを与えることでダメージを与えたところに『修復反応』を起こさせると同時に全身的な不具合を身体に検知させ、自律的に修復させる治療手段です。
この自律的あるいは自動的な修復活動をさして『自然回復力』とか言うことが一般的です。

この回復力なんですが、実は普段から働いているのですが、精神的疲労、肉体的疲労が回復範囲を越えて過負荷=ストレスとなり蓄積し、きっかけとなるイベントによって症状が意識されるのがいわゆる病的な状態です。
このとき、身体の感覚が過負荷によって乱されていることが多く、そのままではなかなか回復し難いので『治療行為』が必要になるわけですね。

鍼灸は特に乱れた身体の感覚を調整することを通じて治療する方法です。
で、この身体の感覚の乱れってのはそのままいわゆる『自律神経の不調』なわけですから、言葉遊びとして『鍼灸は自律神経の調整に効果がある』というのはま、一つの道理なわけですね。

さて、鍼灸で治療しました。
どんな反応が出る?一般的にダメージを受けた場合大まかに言って次のような順番で確認、制限、修復が行われます。

ダメージを受けた→どこがやられた?(部位の特定)→どのようにやられた(程度の把握)→どうしたら良い(動作の制限)→修復作用

ってのが一般的にで、動作の制限には関節や筋肉自体の運動制限というのも起これば、だるさなど活動を制限する形でも出てきます。
修復作用と言うのはそのままいわゆる『炎症』というものです。

鍼灸の効果と言うのはこの炎症のコントロールにあります。
1.炎症が起こると痛みなど症状が出現します。
2.炎症が起こることで組織の修復が行われます。
3.この炎症が十分に起こるには血流がよくなければなりません。
4.炎症は強すぎると組織の破壊を進めます。
5.炎症は弱すぎると組織の修復を遅延させます。

ええとかなり矛盾しているのがこの炎症と言う反応ですね。

例えば皮内鍼で高名な赤羽氏の提唱したシーソー現象と言うのがあります。これはこの炎症の仕組みを利用して、痛む箇所ではないところにわずかな炎症反応、刺激反応を敢えて起こすことで局所の痛みを抑えるという現象です。
これも炎症をコントロールする方法ですね。

ちょっとだけ現代医学の方法をみてみると腰痛などでいわゆる湿布薬というのを処方されます。これ実は『経皮消炎鎮痛剤』といって皮膚表面を経て炎症を消し、痛みを鎮めるものです。これが治療として有効なのはその局所に『過剰な炎症が起こっている場合のみ』です。適正な炎症が起こっているにも拘らずにこれを使うことは、むしろ治癒を遅らせます。
だのでこういったものは痛みが酷い場合に必要最低限使ったが良いわけです。
また、接骨院などでよく使われるホットパックなどの温熱療法。これは該当部位を温めることによって炎症を促進する効果があります。(血流がよくなり炎症がスムーズに進む)
ああ、ちなみに日常の疲労から来る腰痛、慢性腰痛は接骨院では保険治療できません。実費(自由診療・・・つ~かそもそも扱っていいのかどうか疑問)扱いですので、保険証を提示する必要はありません。(これらに保険治療を適用した場合詐欺罪が適用されることもあります。)

さて、鍼灸ではどうするのかと言うと・・・東洋医学的な手法を今回は置いておくという約束ですので、単純な方法を紹介したいと思います。

痛む箇所、運動制限などがはっきりしている場合は、その該当する局所=肩なら肩、腰なら腰に対して圧痛(押したり圧迫して痛みが出る)部を中心に鍼を刺し或いは灸をすえ、微小なダメージを与えることで再度、その付近に何が起こっているか身体に確認させるように仕向けます。
はっきりしない場合は症状が関連していそうな神経領域などに対して針をし、灸をすえることになります。
きちっと身体が状況を把握したら徐々に自律的な調整をはじめ、炎症が過剰であれば沈静化し適正に戻し、炎症が不及ならば活性化し治癒反応を促進すると言った現象を引き起こします。

そうやって炎症をコントロールしながら自然に治っていくのを待つのが針灸治療ってわけですね。無茶なことをしないので身体に優しいですし、与えるダメージもマッサージと違ってピンポイントで最低限にとどめることができますので非常に優れた方法なんです。
近年医師の方の中でのは流行の兆しが見える『自律神経免疫療法』及びその派生は技法とか仕組みとかごちゃごちゃこねていますが、作用機序の説明が東洋医学的でないだけで、東洋医学の発想を基にしています。

別に薬に頼らなくても様々な症状が治るんです♪

ところがですね、一つ問題が・・・
『炎症』って矛盾していると書きましたが・・・炎症を適正に促進させると治癒反応は高まります。これは事実です。

が、

人によって炎症が適正に管理されたために、痛みが増す、症状が増すなんて現象が出る方がいます。
人によっては『好転反応』といったり『冥眩』と読んだりする人もいます。これがキチッと出る方ってのは持っている回復力自体がかなり高い人ですね。多少炎症きつくしても身体を治すのを優先させようという反応なんですから。
あとは自律神経の調子が整ってくると今まで気づかなかったほかの部分の不調和にも気づいたりします。これ不具合が生じたんじゃなくて、不具合に気づくようになったから起こることで治療をしている方としては良いサインであることの方が多いですよね。(それだけ体調の崩れに敏感になったという証拠)

一方、1~2回でこういった反応が起きない方もいます。こういう人は逆に回復力が落ちているので炎症で逆にダメージを受けないようにと調整されます。これは一般的に治療時間が長くかかります。こちらの方は相当体調の崩れに鈍感になっています。程度としては重い、あるいは動きにくいと診ることになりますね。

で、どちらも治療家泣かせなんですよね。
せっかく順調に行っていてもこれでうまくいっていないのでは?とキャンセルが入ることもあります。
こういうときって『医師』の持つ信用ってうらやましいな~なんてたまに思っちゃったりしますね。(笑)

ま、皆さん右肩上がりの回復を期待してやまないというのは理解できますしね。でもそれなりに時間と回数は掛けましょうよ。鍼灸は魔法薬でもなんでもないですから。RPGみたいに瞬間回復なんてわけには行きません。あしからず。
どちらにせよこちらは全力を尽くすのみですね。


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