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2024年04月19日
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【気】のお話。

2008年02月05日
「東洋医学は病人を治療するのであって、病名を治療するわけではない。」
ってセリフを近しい人が言っていたような記憶がある。

・・・どうも、泰心堂です。

東洋医学の治療ってのはある部分、いわゆる科学的な手法で説明することができます。
が、すべてを説明しろというのはもう少し先の話のような気がします。

よく東洋医学では陰陽五行論や蔵府経絡論、脈診論といったものが採用されます。
でもこれらって絶対的な基準ではなくどちらかというと説明理論というか・・・ヒント集?

鍼灸師の人が手首掴んで一人でしたり顔で頷いてぼそっと「肝虚」とかいうやつ・・・あれなんかもこの辺の影響ですよね。
鍼灸学校出身の私たちの世代だと・・・
「肝虚」ならば「虚者補其母、実者瀉其子」(難経69難)を適用して、「足の少陰腎経の合水穴(陰谷)と足のけつ陰肝経の合水穴(曲泉)」を使う。
なんてよく使うツボまで条件反射的に導き出されるのが当たり前です。

しかしながら・・・それで効果があるのかどうかは疑問です。
一人として同じ体がない、同じ状況がないといっているのに同じは配穴ってのもかなり疑問です。もちろん毎回同じツボを取るのはぶっちゃけ不可能です。最終的には指先の感覚でツボを取りますのでズレってのは生じますので一人ひとりの状態に合わせた治療であることは間違いないでしょうね。

ただ、文献、書籍のレベルでも【肝虚】という同じキーワードにもかかわらず、【原穴】というつぼを使ったり、【兪穴】を使ったり、その他、木火土金水の名前を関した【五行穴】を使う方法もあったりと実に多様です。

またどのツボを使っても決して間違いではないのです。
例えば私の基礎となっている【積聚治療】という術式では、治療は専ら背中にある【兪穴】を使いそのほかのツボは余り使いません。
膝が痛い場合でも背中だけで治療するのが基本です。
でも、これで効果があるわけです。

また、お隣の中国では【穴性】といってツボごとに特徴があってそれに応じた配穴をすべきだ!という考え方の流派もあります。

また一方でツボの属性なんて関係ない、反応点を刺激していけば良いんだという考え方もあります。

どれでも良いといえばどれでも良い。
その中で一体何を尺度にすればよいのだろう?

正直な話、真面目にやっていれば悩む問題ですね。
これを東洋医学の範疇で一言で表現すると【気の調和】が取れているか?ということに集約されてしまうわけです。

体内に【気】と呼ばれるものがある、あるいは人の身体は【気】というものが集約されでき、循環することで動いている=生きているという考え方があり、その循環が乱れると、気の乱れつまり病となる。
この乱れた気を調えることで病は治るとするのが東洋医学なわけで・・・

これらの循環ルートの説明が、陰陽論であったり、経絡論であったり、蔵府論であったり、脈診論・・・なわけ。

私が学んだ【積聚治療】というのは人間は気というものでできているのであるから、気を調えようと患者と術者が意識し、情報を共有することで身体に具体的な変化が現れる・・・という些か概念的な部分も持っています。
ま、具体的には治療の前に取る【指標】という目印の感覚(痛み、不快感など)が施術をすることでどのように変化するかをお互いに確認することで効果を具体的に把握するという方法をとります。
なぜ、これで気が動いたとするか?
それは私たちの治療が【気の偏り】(相対的な冷え)によって、このような病的な変化が出ていると考えるからだ。気の偏りによって痛みや不快感が出ているのならば、この偏りが解消されることによって痛みや不快感を発生させる元が消失すると考えて差しさわりがない。気の偏りが解消されるということはそれは【気が動いた】ということ。

だから、積聚治療は【気を動かし、冷えを取る】治療であると言っているのだ。

・・・ってのがま、東洋医学者としての考え方。

でも、一般人にこれってなじみないしね。
なので毎回、どの程度まで東洋医学的な説明で良いのかな?と探りながら治療に取り組んでいたりします。

説明ってのはなかなか難しいですね。

今日はこの辺で。

ああ、そうそう2/11のイベントですが空きがあります。興味のある方はメールください。詳細は泰心堂WEBの講習案内にあります。
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